当事者たちが明かす「医療のウラ側」

がん治療 キイトルーダの方が効くと言われるのはなぜか?

(提供写真)

 それは薬の承認の過程の差です。オプジーボは非小細胞肺がんでの認可を受ける際、抗がん剤治療を受けて効果がなかった患者さんを対象にしてその効果を証明しました。その後、抗がん剤を使わず最初からオプジーボを使ったときの効果を証明しようとしましたが、失敗しました。

 その結果、オプジーボは抗がん剤である程度がん細胞が弱った肺がんでなければ効かないと考えられたのです。

 一方、キイトルーダはがん細胞の表面のPDーL1の発現率が50%以上の患者さんだけを集めて治験をした結果、抗がん剤治療をしていない患者さんに最初から投与しても肺がんの進行を抑え、延命効果もある、という結果を残したのです。

 おかげで、キイトルーダはオプジーボと違って、最初の治療から投与しても効果がある、との評価を得たのです。

 つまり、薬本来の機能にそれほど大きな違いがあるわけではないということです。

 当然、キイトルーダもオプジーボと同じような副作用が出ることを忘れてはなりません。使用を検討している人はそのことを知っておくことが大切です。

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