あの話題の治療法 どうなった?

昔とは違う注射の作法 “もむ”のはNGな薬もある

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「実際、筋肉注射などではモミモミすると合併症などを起こすリスクが高くなるというデータもあります。注射後もんではいけないかどうかは注射液の添付文書に書かれていますが、患者さんにはわかりません。注射前後に“もんでいい注射ですか、いけない注射ですか?”と看護師さんに聞くことです」

●注射は消毒用アルコール綿が乾いてから受ける

 厚生労働省の「予防接種要綱」などには、注射の前に接種部位を消毒することと明記されている。

「注射を刺す部位をアルコールで消毒するのですが、これはアルコール(主にエチルアルコール=エタノール)によって部位のばい菌を揮発させ、一時的にその部位を無菌状態にするためです。エタノールは揮発性が高く、他の消毒薬に比べて速乾性が高いことから注射によく使われています」

 ただ、部位が完全に乾燥するまでには時間がかかる。そのため昔は早く乾燥させるために、口でフーフーと風を送ったり、ウチワであおぐようなこともしたという。

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