死亡率がぐんと下がる可能性 「心筋梗塞」の正しい予防策

症状が出るのは胸とは限らない(C)日刊ゲンダイ

「スタチンを最大量投与しても、LDLコレステロールは50(mg/dl)前後までしか下がらず、身体への影響はありません」

■不安定狭心症はより注意が必要

 あまり知られていない心筋梗塞の予防策の2つ目は、心筋梗塞の前兆である「狭心症」への対処だ。

 狭心症は、心筋(心臓を構成する筋肉)に酸素と栄養素を運ぶ冠動脈の内側が細くなり、心筋への血流が悪くなった状態。症状の出る場所やその強さ、内容は人それぞれだが、「動くと主に胸が苦しくなる(胸ではなく、歯痛、腹痛、胸のむかつきなどと表現する患者もいる)」「休むと5分ほどで治る」が特徴だ。

 狭心症には、安定狭心症と不安定狭心症があり、後者は2割弱が1カ月以内に心筋梗塞を起こす。だから、不安定狭心症はより注意が必要だ。

 不安定狭心症は、狭心症の発作の頻度が増えたり、安静時にも起こすようになった時に疑う。厄介なのは、安定狭心症から不安定狭心症への移行が患者の自己申告でしか判断できない点だ。

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