心筋梗塞のリスク要因は、脂質異常症、糖尿病、高血圧、喫煙習慣の4つだ。脂質異常症にはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪が関係しているが、心筋梗塞のリスクを上げるのは、LDLコレステロールが高い場合になる。
■動脈硬化のリスク要因がなくても……
ところが、心筋梗塞を起こした患者には、脂質異常症も糖尿病もなく、血圧は正常範囲で、喫煙習慣もない人がいる。
「こういった人の心筋梗塞は、動脈硬化とは関係ないものだと研究で分かってきました」
では、何が問題になっているのか?
ひとつは「冠攣縮性狭心症」だ。狭心症には、階段を上がるなど動いている時に症状がある「労作性狭心症」と、寝ている間など安静時に症状がある「冠攣縮性狭心症」がある。後者は「安静時狭心症」とも呼ばれる。