がんと向き合い生きていく

「ステージ4」でも長く生きられる患者はたくさんいる

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 都立駒込病院ホームページの大腸外科の紹介では、「大腸がんは肝転移があっても根治し得る可能性のある疾患です。切除不能の肝転移でも、分子標的治療薬と全身化学療法の併用により縮小化を図り、改めて切除することによって良好な成績を上げています」と記載されています。「肝転移があっても根治し得る」としているのです。

 ジャーナリストの鳥越俊太郎さんは、「大腸がんステージ4」(肝、肺転移と報道されています)を克服され、昨年は東京都知事選挙に出馬されました。その際、テレビで拝見した鳥越さんの第一声は「がん検診100%」でした。きっと、長かったがんとの闘いを思い出されて、そうした公約を掲げたのだろうと推測されます。

 乳がんの「ステージ4」も多彩です。乳がんでは骨転移があればステージ4となりますが、骨転移したからといって直接命に関わるわけではありません。放射線治療やホルモン療法によって5年以上生きられる患者さんはたくさんいらっしゃいますし、その後、治癒されたケースもまれではありません。

3 / 4 ページ

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。