独白 愉快な“病人”たち

腹痛で命の危機 堀ちえみさん救った“念のため”の胃カメラ

1カ月の絶飲食は涙が出るほどつらかった(C)日刊ゲンダイ

 瀬戸際をなんとか乗り越え、あとは回復に向かうばかりでしたが、そのために必要だったのは「1カ月の絶飲食」でした。膵臓やその他の内臓に負担をかけないために行うもので、鎖骨の辺りから管を入れて、血液や薬や栄養を入れるのですが、口からは食事も飲み物も一切禁止。それがもう、涙が出るほどつらかったです。

 退院の日、その若くて優秀な主治医に感謝を伝えると、「僕が治したんじゃないです。お母ちゃんは強い。子どもたちのために生きようとするその思いが、あなたを生かしたんですよ」と言われて、とても感動しました。つくづく「生きる気持ちを持ち続けること」が大切なんだと思いました。

 退院後、2カ月の通院を経て、医師からは「完治」という言葉をいただきました。でも、再発の可能性もあるとも言われたんです。

 それまで、ずっと子どもと仕事が最優先で、自分のことは全部後回し。何事にもギリギリまで我慢してしまう性分でしたが、病気をしてからは考え方が変わりました。お母さんが元気でいることが子どもたちにとって一番いい。だからこそ、母はちゃんと定期健診をして、自分の体を把握しておくべきなんだと。

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