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関西圏の出生率 大都市苦戦も大阪・鶴見区は唯一10傑入り

(C)日刊ゲンダイ

 ワースト10は、すべて3大都市からです。京都市全体の合計特殊出生率(平成20~24年の平均値)は1.16、大阪市が1.25、神戸市が1.28という低い数字にとどまっています。京都市でもっとも出生率が高いのは南区。といっても1.38に過ぎません。

 しかし京都市内には大小多数の大学が密集しているため、街中は若者であふれています。観光客も国内はもとより、海外からもひっきりなしに訪れます。表面的には活況を呈しているため、京都市の出生率の深刻さが隠されているのです。

 神戸市内のトップは垂水区の1.45となっています。最低が中央区の1.05なので、市内における出生率格差は京都市ほどには大きくありません。

 3大都市の各区が苦戦している中で、大阪市鶴見区だけはベスト10内に入っています。鶴見区は大阪市の東の外れに位置し、かつて花博が開催された地。市内でもっとも自然環境に恵まれています。また近年はマンション建設が盛んで、人口が増加傾向にあります。若い夫婦が多く移り住み、子供が多く生まれているため、統計上の数字も良くなっているのです。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。