有名病院 この診療科のイチ押し治療

【助産師が支えるお産】湘南鎌倉バースクリニック(神奈川県鎌倉市)

分娩台を使わない出産(左は湘南鎌倉バースクリニックの日下剛院長)/(C)日刊ゲンダイ

■床に布団、天井からロープ

 従来のお産は分娩台を使用する・しないにかかわらず、頑張って産むイメージがあるが、オキシトシンを考慮したお産では、「自分の楽な姿勢で、できるだけ考えないで本能的に過ごす」ということが尊重される。2室ある分娩室には床に布団が敷かれ、丸い大きなクッションが置かれ、天井からロープが下がっている。そこで、横向きに寝たり、しゃがんだり、四つん這い、ロープをつかむなど、自分が楽なさまざまな姿勢で出産する。必ず2人以上の助産師が立ち会うという。

 不要な医療介入(浣腸、剃毛、会陰切開、陣痛促進剤や点滴の投与など)をできる限りしないのも特徴で、同院では陣痛の痛みを麻酔で和らげる無痛分娩は行っていない。それは「子供を残す過程において、陣痛は円滑な愛情形成に関わっている可能性がある」という考えからだ。海外の動物実験では、無痛分娩をした羊は子育てをしないという研究報告がされているという。

2 / 3 ページ