がんと向き合い生きていく

ニボルマブは効果と副作用の予測がまだ分かっていない

都立駒込病院の佐々木恒雄名誉院長(C)日刊ゲンダイ

 たとえば、「ゲフィチニブ」(商品名イレッサ)という分子標的薬は、当初、肺がんでも、どんな条件の患者に有効か分からないまま投与されました。その結果、肺障害でたくさんの患者さんが亡くなり、裁判まで起こりました。

 その後、たばこを吸っていない人、女性、東洋人らに有効な方が多いことが分かりました。さらに、がんの遺伝子異常(EGFR遺伝子変異)がある場合は70%以上の方に有効であることが分かってきて、肺がんの中でも適用となる患者さんの条件がはっきりしたのです。

 ここにきて、ニボルマブと同じような免疫チェックポイント阻害薬も開発されてきています。どのような条件が揃えば高い有効性が得られるのか? 副作用が少なくて済むのか? 早く解明されてほしいものです。

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佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。