たとえば、「ゲフィチニブ」(商品名イレッサ)という分子標的薬は、当初、肺がんでも、どんな条件の患者に有効か分からないまま投与されました。その結果、肺障害でたくさんの患者さんが亡くなり、裁判まで起こりました。
その後、たばこを吸っていない人、女性、東洋人らに有効な方が多いことが分かりました。さらに、がんの遺伝子異常(EGFR遺伝子変異)がある場合は70%以上の方に有効であることが分かってきて、肺がんの中でも適用となる患者さんの条件がはっきりしたのです。
ここにきて、ニボルマブと同じような免疫チェックポイント阻害薬も開発されてきています。どのような条件が揃えば高い有効性が得られるのか? 副作用が少なくて済むのか? 早く解明されてほしいものです。
がんと向き合い生きていく