B型慢性肝炎の新薬登場 治療や副作用はどう変わるのか?

石川ひとみさんもB型慢性肝炎を告白(C)日刊ゲンダイ

 新薬は「テノホビル アラフェナミドフマル酸塩錠(TAF)」(一般名)。慢性B型肝炎ウイルス感染症の成人を対象にし、1日1回の投与になる。この新薬のポイントは、従来の薬(テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩=TDF)に比べて、安全性が高いことだ。

「TDFは、血液中で分解されて腎臓尿細管へ取り込まれ、腎機能を悪化させる副作用が指摘されていました。しかし新薬は、消化管からそのままの形で血液中を通り、肝細胞へ運ばれます。そのため、腎臓へのダメージを大幅に軽減できるのです」

 新薬TAFと従来薬TDFを比較したB型慢性肝炎患者の腎機能検査でも、「新薬が慢性腎疾患の進行に対する影響が小さい」との結果が出た。

 さらに、骨に対する安全性に関する試験でも、新薬の方が従来薬より骨盤及び脊椎における骨密度の変化率が少なく、脊椎と股関節の骨密度低下を認めた患者の割合も低かった(第48週時点)。

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