役に立つオモシロ医学論文

雪が降った後は心筋梗塞に注意を

外気温が下がると…(C)日刊ゲンダイ

 以前、この連載でも紹介しましたが、「寒い日が続く冬季は心臓病の発症リスクが高まる」という研究が報告されています。外気温が下がると血管が収縮し、血圧が高くなることから、心臓への負担が増えてしまうのでしょう。

 3月になりましたが、場所によってはまだまだ雪が降り積もる地方もあると思います。

 先に述べたとおり冬季は心臓病のリスクに注意が必要ですが、カナダ内科学会誌(2017年2月号)に降雪と心筋梗塞の関連を検討した研究論文が掲載されました。

 この研究は、カナダで行われたもので、1981~2014年の11~4月における降雪量(センチ)、降雪時間(時)と、心筋梗塞による入院または死亡との関連を検討したものです。健康管理データベースを用いて、12万8073件の心筋梗塞入院例、6万8155件の心筋梗塞死亡例が解析の対象となりました。なお、結果に影響を与えうる一日の最低気温や年齢などは統計的に補正して解析を行っています。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。