「もう一つの病気がうつ病です。うつ病による引きこもった生活はメタボ化を助長して、脳卒中のリスクになる。病気ではありませんが、肥満も7大リスクに含まれます。つまり、メタボを予防することが、社会問題の認知症予防にもなるということです」(白澤氏)
糖尿病も高血圧も、治療を受けているのは半分程度で、そのうち血糖値や血圧が十分下がっている人は半分ほど。どちらも、4人に3人は治療が不十分なのが実態。
「自覚症状がないから、今は受診しなくてもいいだろう」という甘い考えが、じわじわと脳の血管にダメージを与え、知らず知らずのうちに認知症を引き寄せるのだ。
一方で、“低い血圧は認知症のリスク”といった見方もある。それが事実なら、厳格な高血圧の治療は認知症予防の点でよくないことになるが、どうなのか。東京都健康長寿医療センター顧問・桑島巌氏(循環器内科)が言う。
「認知症」を知るための20週間