医師語る 「こんな病気で死にたい」

仕事の合間に女性の谷間に顔をうずめて突然死したい

帯津三敬病院の帯津良一名誉院長(提供写真)

 明日のことはわからず、新しい治療法が登場するかもしれない中で、「死ぬまで」というのは、医師として非常に悲しい言葉だと思います。

 抗がん剤を拒否する患者さんも少なくありませんが、抗がん剤自体に対する嫌悪感より、冷たい言葉を平気で投げかけてくる医師や、ほっと温かい気持ちになれないシステムに耐えられないからでしょう。

 人間は必ず死ぬのであり、どんな治療も生命を永遠に延ばせるわけではありません。戦争に例えれば、武器だけの戦いではなく、武器を使う司令官、兵士、参謀などさまざまな要素が集まり、効果を上げていく。治療効果を最大限に延ばすには、医療スタッフが患者さんへ寄り添い、ほっとした気持ちでいてもらうことが不可欠だと思うのです。

▽おびつ・りょういち 1936年生まれの外科医。東大医学部卒業後、同大医学部第三外科医局長、都立駒込病院外科医長を経て、82年川越市に帯津三敬病院、2004年池袋に帯津三敬塾クリニックを開設。西洋医学と東洋医学を結合したホリスティック医学を実践。近著に「Dr帯津のこれが究極の長寿法 100の知恵」。

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