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韓国人女性の平均寿命が世界初の90歳台へ

日本は世界一から転落したが…
日本は世界一から転落したが…(C)日刊ゲンダイ

 厚労省の調査によると、2015年の日本人の平均寿命は女性86.99歳、男性80.75歳。いずれも過去最長記録だ。

 理由はがんや心臓病などの治療成績が上がったからだといわれるが、国際比較では女性が第2位に、男性も3位から4位に後退した。

 公衆衛生の向上や医療技術の発達が世界的に平均寿命を押し上げているからだが、果たして人間の寿命はどこまで延びるのだろうか。

 世界的に権威のある医学雑誌「ランセット」が面白い論文を掲載している。

 英国インペリアルカレッジ・ロンドンの研究論文「工業化が進んだ35カ国の将来の余命」がそれだ。その論文によると、2030年には35カ国すべてが平均寿命を延ばすが、とくに韓国人の平均寿命の延びが目立つという。女性の平均寿命は世界で初めて90歳を超え、男性も2010年の20位から4位に躍進するという。

 韓国人女性が長生きする理由は体脂肪率や血圧が低く、喫煙率が低いこと。

 一方、日本人の平均寿命は2030年時点で女性は3位、男性は10位に後退すると研究論文は予測している。

 かつて男女ともに平均寿命世界一を誇った日本にとってはさびしい予想だが、平均寿命の延びが落ち着けば、将来の予想が容易になり、そのための準備がしっかりできることでもある。

 考えてみればこれから大変なのは急速に高齢化が進む韓国だろう。年金や介護の問題が日本以上に深刻になるに違いない。