前兆のある頭痛は要注意 原因は“心臓の穴”かもしれない

片頭痛は心臓とも関係している(C)日刊ゲンダイ

 心房中隔に穴が残ると、いきんだ後に右心房の静脈血が左心房(動脈血)に流入する「右左シャント」という状態が起こる。この右左シャントが多く起こると、静脈血中の微小血栓が動脈血に入り込み、脳の血管を詰まらせるリスクが高くなる。片頭痛と右左シャントの関係ははっきり証明されていないが、静脈血中の頭痛を起こす原因物質が肺を通らず、脳動脈に入り込むからと考えられている。

■片頭痛のある人の脳梗塞リスクは2倍

 実際、片頭痛がある人は、ない人に比べて脳梗塞の発症率が約2倍高いことが報告されている。特に、頭痛発作の前に視界にチカチカした光が現れたり、視野の一部が欠損したりする「前兆のある片頭痛」では、心房中隔に穴が残っているケースが多いという。

「片頭痛のある人は、一度は頭部MRIで検査をした方がいいと思います。それは20代、30代の若い人でも症状のない無症候性脳梗塞の白質病変が見つかることがあるからです。それで心エコーなどの検査で心房中隔の穴が見つかった場合、本格的な脳梗塞の発症予防としてカテーテル治療で穴を閉じるという選択肢もあります」

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