カテーテル治療は太ももの付け根の静脈から細い管を挿入して、心臓まで到達したら器具を開いて穴を閉じる治療法。ただし、国内の成人の片頭痛患者は840万人といわれ、心房中隔に穴が残る人は5人に1人。すべての患者にカテーテル治療が必要というわけではない。対象になるのは「右左シャントが多い患者」。経食道エコーを使いバルサルバ負荷試験という検査で調べるという。
「この検査は、点滴で小さい泡を注射して右心房から左心房に抜ける泡を観察します。しかし、患者さんに細長いエコー機器を飲んでもらったり、いきんでもらったりするのできれいに泡が映らない場合があり、診断が難しく、上手にできる施設も少ない。診断技術が追いついていないのが現状です」
同院で、脳梗塞を発症したり、無症候性脳梗塞でカテーテル治療を行った症例は2014年からこれまで約20例(20~70代の患者)。治療後は半年で血栓予防の抗凝固薬の服用がいらなくなり、片頭痛もほとんどの人が軽減するという。
片頭痛に苦しんでいるなら、循環器内科や神経内科で心臓を調べてもらってはどうか。