当事者たちが明かす「医療のウラ側」

新人医師はつらいよ 実力もないのに“先生扱い”される苦悩

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ
都内の20代勤務医

 地方の大学病院から都内の総合病院に移ったばかりの勤務医です。1日12時間近く仕事をしていますが、他の先生方に比べて経験も浅く、知識もないのでつらい日々を送っています。それでも看護師さんや患者さんから同じように「先生、先生」と言われるのに困惑しています。

 私の前では笑顔を向けるベテランの看護師さんが内心「困った先生ね、給与は私の倍以上もらっているくせに仕事は半分以下ね」と思っているのはそのしぐさで分かります。目の前に私がいるのに、「先生はいないの?」なんて露骨に私を無視することもあります。しかも、先輩医師も同じ年代なら女医には甘く、私にはきつい。雑用はすべて私の仕事で、大事な仕事はまかせてもらえません。あまりに悔しく、情けなく、トイレの個室で泣いたことは一度や二度ではありません。

 しかし一番つらいのは患者さんが、「医師に診てもらえば病名が分かり、治療は100%安全・安心」と思っておられることです。

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