天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

海外旅行を楽しむなら「3つの薬」を持参すべき

順天堂大学医学部の天野篤教授(C)日刊ゲンダイ

 最近の日本では、海外旅行に出かける人が再び増え始めています。昨年は約1700万人が渡航したとされています。

 患者さんの中にも、海外旅行を楽しんでいる方がたくさんいらっしゃいますが、そんな時、よく質問されるのが「普段から服用している薬」についてです。

 心臓の手術を受けたことがあったり、慢性的な心臓疾患を抱えて定期的に診察を受けているような患者さんは、毎日、何種類も薬を服用している方がほとんどです。とくに高齢者になると、10種類以上の薬を飲んでいるケースも少なくありません。そうした患者さんが1週間近く海外旅行に行く場合、すべての薬を持っていくとなると相当な量になります。中には、山ほど薬を持参しなければならないのが面倒だからという理由で、海外旅行を断念している患者さんもいるでしょう。

 そうした患者さんが、なるべく海外まで持参する薬を減らせるよう、最低限これだけは持っていかなければならない薬を3つピックアップします。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。