天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

海外旅行を楽しむなら「3つの薬」を持参すべき

順天堂大学医学部の天野篤教授(C)日刊ゲンダイ

 最低限、この3つの薬を押さえておけば、大きなトラブルを起こすことなく、海外旅行を楽しめるでしょう。

■日本時間に合わせなくてもいい

 もうひとつ、患者さんが海外旅行で頭を悩ませるのが「薬を飲む時間」です。海外は時差があるので、「いつ飲んだらいいのかわからない」という患者さんが多いのです。普段通り、日本時間に合わせて飲もうとすれば、現地では真夜中になってしまう場合もあります。これは、さすがに難しいでしょう。私が患者さんにおすすめしているのは、次のようなパターンです。

 1日1回、朝食後の朝8時に薬を飲んでいる場合、日本から夜に飛行機で出発して、現地に到着したらお昼になっているというケースがあります。現地に到着するまでは、いつも通り日本時間の朝8時に薬を飲む。その後、現地に到着して時計を現地時間に合わせたら、次に迎える現地時間の朝8時の服薬はパスして、その翌日の朝8時から服薬を開始します。帰国の際は、まったく逆のパターンで戻せばOKです。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。