筋膜リリースは「はがす」のではなく「ほぐす」が正しい

簡単にできる!
簡単にできる!(C)日刊ゲンダイ

 たった3分で肩こりが解消する――。そんなキャッチコピーで「筋膜リリース」が話題だ。痛そうだが、効果があるのか。「自分でできる! 筋膜リリースパーフェクトガイド」(自由国民社)の著者で理学療法士の竹井仁氏に聞いた。

「筋膜は、筋肉を包み込む膜のことです。筋線維一本一本を包む筋内膜、いくつかの筋線維を束ねる筋周膜、筋肉全体を覆う筋外膜があり、ボディースーツのように体全体に張り巡らされているのです」

 悪い姿勢や生活習慣によって、筋膜がねじれたり硬直したりすると、体にいろいろな悪影響が生じる。それを解きほぐすのが「筋膜リリース」だが、筋膜はがしとは何が違うのか?

「筋膜はがしは、医療資格のない民間療法で行われているもので、硬い部分の筋膜をむりやりはがしとるため非常に痛い。それで炎症が生じると、修復される際に組織が癒着し、逆に筋膜が硬くなるという悪循環を引き起こします。筋膜はがしは絶対によくありません」

 筋膜リリースはストレッチのようで痛くない。

「縦・横・斜めに走るコラーゲン線維の癒着やねじれを解きほぐすのが目的。さまざまな方向にゆっくりと気持ちいい程度に伸ばすのが肝心。決して勢いをつけたり、反動をつけたり、痛みを我慢してはいけません」

 効果は?

「中高年男性なら、肩や腰の痛みの解消、筋力アップ、柔軟性の回復、ゴルフやテニスなどのスポーツ動作の改善、内臓不調の改善などが期待できます」

 簡単にできるのが写真の3つ。ゆっくり、呼吸しながら90秒以上伸ばすのがコツ。どこが硬く緊張しているのか感じながら行うといい。

 1日のうちに何度か繰り返すと、より効果的。2週間で体がスムーズに動くようになり、さらに2週間で「姿勢がよくなった」「若返ったね」と言われるようになるという。

「最初の4週間は、週5回必ず行うこと。それ以降は、1日置きでも大丈夫」だという。

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