有名病院 この診療科のイチ押し治療

【ピロリ菌の除去】公立昭和病院 消化器内科・内視鏡科(東京都小平市)

公立昭和病院内視鏡科の武田雄一部長(提供写真)

「1次除菌に失敗する一番の原因は、クラリスロマイシンに対する耐性です。3年ほど前までは成功率が全国平均で78%くらいまで低下しました。しかし、胃酸を抑える作用が強い新しいタイプのPPI(ボノプラザン)が登場し、その組み合わせでいまの除菌成功率は90%くらいに盛り返しています」

 2次除菌になった場合には、クラリスロマイシンを「メトロニダゾール(ニトロイミダゾール系)」に変更した3剤を使う。除菌成功率は92~93%という。そして保険適用外の3次除菌になった場合には、どの薬を使えばいいか定められていない。同科では、2次除菌の組み合わせのアモキシシリンを「シタフロキサシン(ニューキノロン系)」に変更して除菌する。

「当科の3次除菌の成功率は97~98%です。それでダメなら、薬剤感受性試験や同じヘリコバクター属の『ハイルマニイ』などの別の細菌の可能性を調べるために、杏林大学病院などに患者さんを送ります」

2 / 3 ページ