クレプトマニア、認知症…万引を繰り返す「病気」がある

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 前頭側頭型認知症の人すべてが反社会的行動を取るわけではないが、世間に「認知症=反社会的行動」との認識が広まっていないので、「あんなことをしたのに、悪びれた様子が見られない」と批判され、実刑判決を受けることもある。

「前頭側頭型認知症であれば責任能力がないとみなされ、執行猶予判決になることもあります。当初はクレプトマニアだと思っていた人が、1審で争っているうち、話が噛み合わないことや感情のコントロールができなくなることが多々見られ、脳画像検査の結果、前頭側頭型認知症が判明したケースもあります」

 クレプトマニアにしても前頭側頭型認知症にしても、生活の中で注意深く接していないと分かりづらい。同居している家族ですら、気づきにくい。窃盗で繰り返し刑罰を受けている人の中には、クレプトマニアや前頭側頭型認知症がかなりの数、含まれているのではないかとの指摘もある。

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