寛解率30~40% うつ病は「磁気刺激」で吹き飛ばせる

寛解率30~40%、米国では9年前に正式治療法に(提供写真)

 注意する有害事象では、けいれん発作の誘発が0・1%未満と報告されているが、けいれんの既往や服薬している薬の種類、要因となる寝不足、飲酒などを問診で確認することで十分防げるという。

 では、気になる症状に対する効果はどうか。

「二重盲検試験(医師や患者に処置内容を知らせない)では、うつ症状がなくなる寛解率は15~20%。実際の臨床での寛解率は30~40%。うつ病評価スコアで症状が50%以上改善する奏効率は50~60%です」

 ただし、うつ病は再発しやすい。薬の効きが悪い人でも、服用が続けられるのであれば薬物療法を併用した方が良いという。TMS療法で一度高い効果があった場合、再発時に再度やっても効果は高いという。

「TMS療法はあくまで治療法の一つで、すべてのうつ病に有効とは限りません。他の治療法と組み合わせた方が効果は望めるので、TMS療法を受けるなら精神療法、薬物療法にも精通したうつ病の専門医のいる施設で受けるべきです」

 いまのところTMS療法は保険適用外。ちなみに、次回の診療報酬改定(2018年度)で単極性うつ病(普通のうつ病)に対して保険適用が期待できそうだという。

3 / 3 ページ

関連記事