受診までの「応急処置」

【コンタクトによる目の痛み】防腐剤入り人工涙液は避ける

激しい痛みでなければ、ドライアイやホコリなどが原因
激しい痛みでなければ、ドライアイやホコリなどが原因(C)日刊ゲンダイ

 コンタクトレンズをしていて、目に痛みを感じたらどうするか。とりあえずレンズを外してみて痛みが楽になるか、異物感がなくなるかを確認することだ。レンズが汚れていれば、洗浄してつけ直してみる。眼鏡を持っていれば、眼鏡に替えて目を休ませ様子を見る。

 ただし、1データイプは一度外すと捨てなくてはいけない。それ以外のレンズでも、保存ケースや保存液を持ち歩いていなければ外せない。どうしたらいいのか。「おはらざわ眼科」(東京都北区)の小原澤英彰院長が言う。

「異物感のような激しい痛みでなければ、ドライアイやホコリなどが原因とも考えられます。市販の人工涙液をさして様子を見てもいいでしょう。人工涙液は防腐剤の入っていないものにしてください。使い回しレンズだと、防腐剤の成分がレンズに吸収されて角膜に悪影響を及ぼす場合があるからです」

 目が痛い場合、角膜に傷がついていることも考えられる。しかし、ソフトレンズは材質が軟らかいので、症状がかなり悪化しないと痛みを感じにくいという。

 では、洗浄・保存液の代わりに水道水を使って、小皿などにレンズを外すのはどうか。ハードレンズでは、すすぎや装着の際に水道水を使うことができる。しかし、ソフトレンズは一時的でも水道水は絶対に使ってはいけない。

「ソフトレンズに水道水を使うと、水分を吸収して含水率が変わって使えなくなります。それに、ハードに比べてソフトの素材は雑菌やカビがつきやすい。水道水の中にもアカントアメーバはいるので、角膜に傷がついて侵入すると角膜炎を起こします。ひどいと失明する場合があります」

 手元にケア用品がなければ、近くの薬局で購入するのが賢明。レンズを人工涙液に浸してもいいが、入れる器が汚れている可能性があるので勧められないという。

 今は「1デー」タイプと「2ウイーク」タイプのレンズを使用している人が多いが、使用期限を守らないのも目の痛みや角膜障害の原因になる。2ウイークでは、「目に装着している時間が2週間」と勘違いしている人もいるという。使用期限は「レンズを開封してからの期間」なので注意しよう。

「目の痛みで怖いのは、角膜の傷から病原体が入って黒目が白く濁ってできる『感染性角膜炎』や『感染性角膜潰瘍』です。レンズを外しても翌日まで充血を伴う目の痛みが続くようなら、早急に受診するべきです」