「多死社会」時代に死を学ぶ

食事、呼吸、排泄が「老衰死」前の3つの特徴

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 石飛医師の死生観は、「死は自然の摂理で、親から命を受け継ぎ、その命を子どもに継がせるという繰り返し。本人の最期は、子どもがそれを学ぶ場面だ」と言う。

■1週間から10日前にあらわれる

「老衰」を迎えると、「排泄」「摂食」「呼吸」の能力が落ちてくるが、それは「最期に向かう自然現象で、これは決して悲しむ出来事ではありません。受け入れなければならないことです」。

 死を迎える1週間から10日前あたりになると、「まず、食べ物を受け付けなくなり、眠ります。私はご家族に、『そろそろですね』と、知らせますが、予測以上に延びる場合もあります。栄養や水分は取らなくても、最期の日まで排尿が続きます。まるで余計なものを片づけて、捨てて、捨てて、身を軽くして天に昇るようです。酒好きだった人には、日本酒を口に含ませることもあります」。

2 / 3 ページ