私の経験でも、心臓の手術を受けるような患者さんは、夜型の生活をしている人が多い印象を受けます。若い世代だけでなく、高齢者でも同様なので、やはり、そうした“交感神経型”の人が心臓のトラブルを招きやすいといえるかもしれません。
■眠れないなら“きっかけ”を探す
また、睡眠不足は食欲を増進させます。睡眠時間が足りないと体はストレスを感じ、食欲を抑制するホルモン「レプチン」が減少します。さらに、食欲を増進させる「グレリン」というホルモンが分泌されるため、過食につながってしまうのです。
過食が続けば、肥満を招いたり、糖尿病や高脂血症にもつながります。肥満、高血糖、高コレステロールは、いずれも代表的な心臓病の危険因子です。ひとつが誘因になっていくつも積み重なると、さらに心臓病の発症リスクがアップします。そうした側面からも、睡眠不足は心臓にとって大敵なのです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」