その結果、認知症の発症リスクは、歯の残存本数が20本以上に比べて、10~19本で1.62倍、1~9本で1.81倍、0本で1.63倍、統計学的にも有意に増加しました。
また、歯の残存本数と認知症リスクの関連性に一定の傾向性が認められるかどうかを解析したところ、「歯の残存本数が減少すると、認知症発症リスクが増加する傾向にある」ことが示されました。この関連は特にアルツハイマー病で示唆され、アルツハイマー病ではない脳卒中後の認知症(血管認知症)では関連が見られませんでした。
この研究結果から、歯磨きをすれば認知症を予防できると断定することは難しいですが、歯の残存本数を維持することは、特にアルツハイマー型の認知症発症リスク軽減につながる可能性が示されています。
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