「認知症」を知るための20週間

カラダを動かしボケ予防 「コグニサイズ」の取り入れ方

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 あまり関係なさそうに思えるが、スポーツは脳にいいのだという。認知症の予防にも役立ちそうだと考えられている。国立長寿医療研究センターの予防老年学研究部・健康増進研究室長の牧迫飛雄馬氏がこう言う。

「運動を習慣的にやっている人は、認知症を発症する危険性が明らかに少ないと報告されています。代表的な研究をあげると、運動習慣がある人は、ない人に比べて30%ぐらいリスクが低かった。いろんな要因が複合的に作用していると思うのですが、どうやら運動することによって、記憶や学習にとって重要な領域とされる海馬の周辺で、神経細胞を賦活させたり新生させたりする液状のタンパク質、BDNFと呼ばれるものですが、その分泌が促進されそうだと分かってきたのです」

 平均65歳の人たちを、週3回有酸素運動をする人とストレッチだけをする人に分け、1年後の数値を比較した調査もある。それによると、有酸素運動の人たちは海馬が2%大きくなり、ストレッチだけの人たちは逆に1.4%小さくなったという。それで、息がはずむ程度の運動を週に3回、20~30分間やるのを習慣化すると、認知症の発症リスクを抑えられるのではないか、となってきたのだ。

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