それでもDCISに過剰治療が行われるのは、わずかな割合で病変が浸潤性になるという懸念から。それでDCISと診断された女性のほぼ全員が、何らかの治療を受けているのです。
この状況は、男性の前立腺がんと似ています。検診で発見された早期前立腺がんの一部は、進行が遅く、治療せず放置しても問題ないケースがあることが国内外の研究で明らかになり、「待機療法」も一般的になっています。DCISも同様の考え方が広がる可能性があるのです。DCISという「がんもどき」は、その名称から「がん」という言葉を外すべきだという議論もあるのですから。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁