クスリと正しく付き合う

塗り薬を節約するために皮膚を健康に保つ

ゴシゴシ洗いは要注意(C)日刊ゲンダイ

 このバランスが崩れると皮膚の弾力が失われ、乾燥やかゆみが出たり、水虫などの感染症にかかりやすくなるのです。

 水分は加齢とともに減る一方で、脂分は30代をピークに下がっていきます。これは、ホルモンバランス、食事の好み(味覚の変化)といった加齢に伴う体の変化に加え、日本人特有の「洗いすぎ」も原因のひとつとされています。ゴシゴシと洗いすぎることで、必要な皮膚の脂分も失われ、皮膚を傷つけてしまうのです。ゴシゴシ洗いには要注意です。

 皮膚疾患を防ぐには、皮膚を健康に保つ必要があります。そのためには、「水分と脂分のバランスを保つ」=「清潔にして保湿をしっかりする」ことが重要なのです。

 皮膚を健康に保つことで、病院に行ったり、薬を使ったりすることが減ります。健康的にも、経済的にもよいことなので、意識してみましょう。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。