当事者たちが明かす「医療のウラ側」

巻き爪治療に漢方薬? 理解に苦しむ投薬

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 先日、中学生の男の子が体調を整えるための漢方薬の処方箋を持ってきました。何の病気なのか聞いてみると、「巻き爪を診てもらおうと思って病院に行ったら、漢方薬を処方された」というのです。

 その中学生は色白で小太り。栄養が足りないようには見えません。中学生が言うには医師は爪をろくに見もせず、「巻き爪じゃない」と言い放ち、いきなり漢方薬を1カ月分も処方したというのです。

“医師は巻き爪の治療のことがよくわからなかったのかなあ”とも思いましたが、中学生が言うにはそのクリニックのホームページには爪の治療専門との看板を掲げていたというから二度ビックリです。

 私から見てもなぜ、漢方薬なのか、よくわかりません。都心のクリニックなので、中学生までの医療費は公費助成で無料。患者のフトコロは痛まないから、せっかくやってきた患者を手ぶらで帰したくない、とでも思ったのでしょうか。

 聞けば、そのクリニックはウン千万円もする新築タワーマンションに入っている個人クリニックとのこと。元手を回収するために強引な治療をしているのでしょうか。

 この中学生だけでなく、患者さんのことを考えて投薬しているのだろうか、と疑いたくなるケースは少なくありません。

 毎月やってくる90代の女性の患者さんは6種類の目薬が処方されています。1日2回ささなければならない薬もあり、1種類さしたあとは5分間間隔をあけると、毎日目薬をさすだけで大変な時間を費やすことになります。

 果たしてこんな高齢な患者さんにこれほどの薬が必要なのか、疑問に思います。