「多死社会」時代に死を学ぶ

肉体は死後どのように変化するのか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「身長」「体重」などの体格、または死因などによって若干の差異があるが、一般的には、心停止が起こると脳細胞がだいたい4分ほどで不可逆的な変化を起こすという。

 血流が途絶え、やがて死後15~25分後に、体の隅々まで行き届いていた酸素も欠乏する。細胞が酸欠状態になり、「肝臓」「腎臓」「呼吸器」「消化器」など体中にある臓器の活動が停止する。

 その次に起こる肉体の変化は、これら臓器を形成している組織の死だ。その後、組織をつくっている細胞が死滅して、完全に生命を閉じることになる。

■直後は全身がゆ緩み、死斑は12時間後ピークに

 ただ、体内にはエネルギーの放出や貯蔵をし、筋肉運動を担う化合物の「アデノシン三リン酸」(ATP)が残留している。死亡直後、全身の筋肉はいったん弛緩する。弛緩すると体内から「尿」や「便」「胃液」が排出される。

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