病院は本日も大騒ぎ

「良い医師・悪い医師」の評判は看護師がつくる

横暴な診察や威張る医師は論外
横暴な診察や威張る医師は論外

 現在、関東圏の総合病院に勤務して20年近くになる看護師のトミエです。

「良い医者、悪い医者」という言葉をよく耳にします。医師の評価は看護師の目が確かですね。

 患者さんをやたら怒る医師がいます。診察室の外まで聞こえてくるような大声で、患者さんを叱責することも珍しくありません。

「なぜ言うことを聞かない! もう死ぬよ!」

 その患者さんは血糖値が高く、薬を処方され、食事療法などのアドバイスをしてもらっていました。でも、血糖値がなかなか下がらないのです。

 怒られている患者さんはオドオドしていました。この医師は、患者さんにすぐ「死ぬ」という言葉を使います。いくらなんでも、患者さんに対して「死ぬ」という言葉は禁句でしょう!

 このような横暴な診察や、何かと威張る医師は、看護師の間でも評価が悪いですね。

 私の先輩に30年間も看護師を続けている方がいらっしゃいます。この先輩は、特に経験乏しい若い医師の治療や薬の処方を注意しています。

 看護師から「先生、違うと思いますけど」などと言われた医師はムスッとしますが、言い返せば後で自分が困った時に助けてもらえないので、顔を真っ赤にして外に飛び出していきます。

 逆に、休日や祝日、定休日であっても病院に出て、担当の患者さんを診察している真摯な医師もいます。看護師はよく見ているんです。そんな先生は尊敬を集めるし、口コミでそれが患者さんにも伝わるので、患者さんからの人気も高いのです。

 そういう医師は、退院していく患者さんに「もし病変があったら、すぐ病院に来てくださいね」と優しい言葉をかけることが多いですね。患者さんにとって、どれほど心強いことでしょうか。

 また、看護師に「良い医師」と言ってもらいたいために、プレゼントや差し入れをする医師もいます。でも、腕が悪かったり、患者に冷淡だったりすると、看護師はバカにするので無駄ですね。

 以前、私はクリニックに勤めていたことがありました。ここの院長は、いつも大量の薬を処方します。

 初診者の血圧を一度測っただけで「少し高いね」と診断し、馬に食わせるほどの薬を出していました。「悪い医者」の典型です。待遇は悪くなかったのですが、すぐに辞めました。