「逆に、うつ病だった高齢者が、孫が大学生になって同居するようになって症状が改善するケースもあります。とはいえ、その同居がストレスになる場合もあるので、人によってプラスにもマイナスにもなります。いずれにしても前の生活と今の生活の落差が激しいと、うつ病発症のきっかけになりやすい。新年度を迎える春は、その転機になるので注意が必要です」
孫離れうつの予防は、とにかく孫の世話だけにのめり込まないこと。自分の趣味や他者との交流の時間を増やして、孫がいなくなっても孤独にならない生活スタイルを維持しておくことが大切になるという。
「80代くらいになると、だんだん体力的に遠出ができなくなって他人との交流が少なくなり、孤独になる人が多い。ですから隣近所など、60代くらいから自分の住んでいる地域での交流を少しずつつくって、大事にしてもらいたいと思います」