独白 愉快な“病人”たち

夫の言葉に導かれ だいたひかるさん「乳がん闘病」を語る

「笑いの大切さを知ったのも病気のおかげ」と語る(C)日刊ゲンダイ

 ぽっかりできた休みに、その年、唯一残っていた乳がん検診のクーポン券を使うことにしました。すぐに予約が取れて受診したら、触診でいきなり「右しこり」と言われたんです。「え?」と思っていると、次はマンモグラフィー検査で「乳がんの可能性が十分にある」と告げられました。さらに細胞を採って調べることになり、「検査結果はご主人と一緒に来てください」と言われ、完全にコーナーに追い詰められた感覚でした。

■医師に思わず「オススメはなんですか?」

 結果は「右乳房の乳がんステージⅡA」との診断。後にリンパ節にも転移していることがわかり、最終的には「ステージⅡB」でした。しこりは約3センチと大きかったものの、早期に近かったので乳房は3分の1温存できるとのことでした。ただ、「温存すれば再発のリスクが残る」とか、再建手術がうんぬんという説明も同時にされたため、それがまるでお経のように感じられて……。結局、私が主治医に言えたのは「オススメはなんですか?」という変な質問だけ。主治医は「(右乳房)全摘です」と言い、夫も賛成したのでオススメを選択しました。

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