独白 愉快な“病人”たち

夫の言葉に導かれ だいたひかるさん「乳がん闘病」を語る

「笑いの大切さを知ったのも病気のおかげ」と語る(C)日刊ゲンダイ

 ご多分に漏れず脱毛はしましたが、イメージしていたよりも吐き気は軽く、味覚障害もありません。薬はどんどん進化しているんですね。

■がんを経験して一つ個性が増した

 ツライとき、夫が「君はいま、人間の深みを増しているんだよ」と素敵なセリフで励ましてくれたので、私もその気になって「この際、がんがどんなものか見渡してやろう」と思いました。

 また、治療を共にする友達をたくさんつくって話を聞いてみると、乳がん患者は思った以上に多いし、早期で見つかれば世間がイメージしているほど大変じゃないし、治療をしながら仕事をしている人もたくさんいるんです。だから「がんは個性」で、私は一つ個性が増したと思っています。芸人として個性が薄かったから、ちょうどよかった(笑い)。

 他にも新しい発見がいっぱいありました。たとえば、抗がん剤治療中は化粧乗りが人生で一番よかったこと(笑い)。毛という毛が抜けたから、“薄付き”で最高でした。手術も抗がん剤も初めは怖いけれど、人ってだんだん慣れるんですね。そういうことも発見でした。

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