当事者たちが明かす「医療のウラ側」

お酒のメリットデメリット

酒は百薬の長…?(C)日刊ゲンダイ

 そろそろお花見シーズンです。お酒を楽しみにしている人も多いと思います。「適度な飲酒は体にいい」というのが一般的な認識ですが、果たして本当なのでしょうか? 私も患者さんによく聞かれるテーマです。お酒と病気についての研究はいまも盛んに行われているので紹介しましょう。

 最近、話題になったのは認知症の半分を占めるアルツハイマー病に、ビールやノンアルコール飲料に含まれるホップ由来の苦味成分である「イソα酸」が効果的との研究です。

 大手飲料メーカーのキリンと東大などの研究チームが発表しました。

 イソα酸が脳内の免疫細胞を活性化させて、アルツハイマー型認知症の原因物質といわれるアミロイドβを排除するというのです。イソα酸を含むエサを食べたアルツハイマー型のマウスの脳に炎症作用が緩和されているのが確認されたそうです。

 焼酎が血糖値を下げるとの論文は鹿児島大学の研究者が発表しています。6人のボランティアに病院食とともにビール、焼酎、水などを飲んでもらい、その後の血糖やインスリンの数値、睡眠中の脳波などを調べたものです。

1 / 2 ページ