専門医に聞く うつぶせ寝禁止で乳幼児突然死は防げるのか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「あってもマレなケースでしょう。生後間もない赤ちゃんでも呼吸が苦しくなれば顔を左右に変えられます。窒息はふわふわの柔らかいベッドの上でうつぶせになったり、ベッドの柵などで首をつったり、体がはさまったり、親や兄弟が添い寝をして覆いかぶさったりして起こることが多いと思われます」

■2つの意外なリスク

 問題はSIDS発症のリスク要因はうつぶせ寝以外にもあるということだ。

「たとえば喫煙です。特に妊娠中の喫煙は赤ちゃんの体重を抑え、脳幹にある呼吸中枢の発達に悪い影響を与えます。赤ちゃんの周りで喫煙するのも同じです」

 母乳でなく人工乳で育てることもリスクになるというから驚きだ。

「母乳には眠りを致命的なほど深くしないホルモンが含まれています。しかも、人工乳を使っているお母さん方は、寝かせる前に多く飲ませる傾向にあります。母乳と違って人工乳は吸収が遅いので、なんとか吸収しようと睡眠中に胃の周りに血液が一気に集まり、眠りを深くしてしまうのです」

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