役に立つオモシロ医学論文

ビール好きは隔たっている? お酒の健康度は食事で決まる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 過去に報告されている研究によると、ワインの摂取量が多い国々では心臓病の発症割合が低く、同じアルコール飲料のビールやウイスキーなどよりも、ワインの方が健康に良い影響をもたらす可能性が示されています。

 ただ、アルコール飲料の種類が健康にどのような影響を与えるかというテーマは、アルコール飲料とともに摂取する食事にも大きな影響を受けるといえます。

 ワインが好きな人とビールが好きな人では、食事の嗜好も異なるでしょう。

 そんな、アルコール飲料の嗜好と食習慣の関連を調査した研究が、英国医師会誌のオープンアクセスジャーナル(2016年6月15日付)に掲載されました。この研究はオランダ在住の1653人が対象で、アルコール飲料の嗜好や食事内容に関するアンケート調査を分析したものです。アルコール飲料の嗜好は、「ビール」「ワイン」「ウイスキーなどアルコール度の高い酒、もしくは嗜好なし」「アルコール飲料の摂取なし」の4つのグループに分類され、各グループごとに「食習慣」「血圧」「肥満状態」などの身体的検査データが比較されています。その結果、ワインを好む男性では肥満者が少なく、善玉コレステロールや血糖の状態を示すHbA1cという値が良好に維持されており、食事はサラダをよく摂取する傾向にあると報告されました。一方でビールを好む人は中性脂肪が高く、食事も肉中心だったという結果になっています。

 この研究から、「ワインが健康に良く、ビールが健康に悪い」ということが言えるわけではありませんが、ビールを好む人は食事の内容がやや偏っている可能性があるとは言えるかもしれません。

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。