メンタル不調原因2位に「性格」 どんな人が悪化するのか

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 サラリーマンのメンタルヘルス不調の原因は「本人の性格」――。こんな調査結果が発表された。

 日本経営協会が企業1440社を対象にアンケート調査したところ、メンタルヘルス不調者が生まれる主な原因は1位が「職場の人間関係」で64.3%だった。

 サラリーマンが人間関係で苦労するのは当然のこととして、意外なのは2位が「本人の性格」だったこと。6位の「長時間労働」の23.9%を抑えて43.7%に達した。メンタルヘルスの不調は他人事ではない。

 どんな性格がメンタルヘルスを悪化させるのか。

「物事を柔軟に考えられない性格です」と解説するのは「医療法人社団すずき病院」理事長で精神科医の坂本博子氏だ。

「協調性がなく、物事を白と黒でしか考えないような人です。イヤな仕事はしたくない、嫌いな人と仲良くなるための努力もできない、他人の仕事に積極的に協力できない。こうしたことで同僚や取引先に敬遠される。しかも自分に問題があるのに“周囲の人たちが悪いのだ”と思い込み、悪口を言いふらします。そのため職場で浮いた存在になり、“会社に行きたくない”という気持ちが高じて、うつ症状に進んだりするのです」

 要するに、かたくなな性格が自分を追い込んでしまうのだ。

 当然ながら、こうした性格の人は自分を客観視できないため、悪い部分を改めようとしない。

 負のスパイラルに突入し、最悪の場合、自殺に走ったりするのだ。

「いきなり“心療内科を受診したほうがいい”というのは本人を傷つけてしまいます。同僚や上司は柔軟性の乏しい人を見守り、始終ボーッとしたり睡眠不足や食欲不振に悩むようになったら、医師に相談するようアドバイスしなければなりません。女性は化粧をしなくなるのも、うつ症状のシグナルです」(坂本博子氏)

 困ったちゃんこそ、見守りが必要だ。

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