クスリと正しく付き合う

病気を「予防」することが何よりも薬代の節約になる

予防こそ最大の節約策(C)日刊ゲンダイ

 これまで、「薬を適正に使うことが医療費の節約につながる」ことをお話ししてきました。しかし、何よりも節約になるのは「病気にならない」=「予防をする」ことです。

 当たり前の話ですが、病気にならなければ病院に行く必要もなく、薬を使う必要もないのです。

「健康寿命」という言葉もあるように、健康な状態で過ごすのと病気を患って過ごすのとでは、同じ日々でも「生活の質=QOL」は大きく違います。健康寿命を長く保つためには、予防は大切です。大がかりなことや大金を費やさなくとも、日常生活の工夫だけで病気予防になることはたくさんあります。手洗いやうがいをする、食生活に気をつける、運動量を増やす、しっかり睡眠をとる……意識してこれらを続けるだけでも十分に効果的なのです。

 予防や健康診断の受診を奨励したいと強く思うようになったのは、勤務する大学病院で、重い病気を抱えた患者さんに数多く出会ったからです。特にがん患者さんに接すると、予防しておけば……早期発見できていれば……と強く感じます。

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神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。