筋力低下でがん死亡率上昇 「サルコペニア」をどう避ける

スクワットで筋肉を(C)日刊ゲンダイ

 食道がんや乳がんは、抗がん剤でがんを縮小させた後で手術する「術前補助化学療法」が行われる。

 その際、サルコペニアがあると、抗がん剤の副作用が強く出るだけではなく、手術後に感染症をはじめ、さまざまな合併症のリスクが高くなる可能性がある。

 では、それを避けるには普段から何に気をつけたら良いのか?

「筋肉をつけるために肉や大豆といった良質なタンパク質、とくにロイシンなどの必須アミノ酸を取ること。欧米では食事からのタンパク質に加え、ホエイプロテインが加齢に伴うサルコペニアの予防に役に立ったという報告があります。また炎症を抑え、無駄なエネルギーを消費させないために、魚などに多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などを積極的に取ると良いでしょう。そして最も重要なのがレジスタンス運動、いわゆる筋トレです。スクワットやもも上げ運動、壁腕立て伏せ、ダンベル運動などがお勧めです」

 がんの最大のリスク要因は加齢だ。だからこそ中高年は筋肉づくりに励むべし。

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