「関節は筋肉によって動きますが、その力を伝えているのが腱です。腱は骨と並行して走っていて、ずれたり浮いたりしないように骨の所々に付いている『腱鞘』というトンネルの中を通っています。腱鞘炎は、その腱鞘や腱の一部に炎症が起こり、肥厚して通過障害が生じることでひっかかって痛みが出るのです」
発症は更年期や周産期の女性に多いが、これは腱の修復を助けている女性ホルモン(エストロゲン)の分泌の変化が影響していると考えられている。
では、腱鞘炎が疑われた場合、どのような対処を心がけた方がいいのか。
「とにかく、痛みが出ないように手の使い方を工夫して、使い過ぎに注意することです。テーピングやサポーターをして手の過度の動きを控える。パソコン作業であればアームレストなどを使うのがいいでしょう」
市販薬では、「インドメタシン」や「フェルビナク」といった消炎鎮痛成分の入った外用薬(湿布や塗り薬)を使ってみるのもいい。ただし、手の使い過ぎが原因なので、安静を保てなければあまり効果は期待できないという。
受診までの「応急処置」