橋本テツヤの快適老齢術

なったつもりで元気を取り戻す

“つもりつもれば”…といったところか(C)日刊ゲンダイ

 大相撲春場所で、負傷した稀勢の里が逆転優勝して多くの国民が感動した。テレビ観戦した年寄りたちも、自分が稀勢の里になったつもりで全身に力を込めて応援した。実は、この「なったつもり」が人を元気にさせるのだ。「大金持ちになったつもり」「イケメンになったつもり」「俳優になったつもり」等々。なったつもりは自由で楽しい。

 アインシュタインは「想像力は知識より大切だ」と述べている。知識には限界があるが、想像力は限界がないという。ならば総理大臣や国会議員になったつもりで、自分の考えを主張するのも想像の中でなら可能だ。恋のときめきを忘れてしまった人は、キムタクになったつもりで美人と恋をする自分を想像するのも自由だ。老妻に幻滅を感じていたら、若々しい肉体の美人妻を想像して、まぶたにその姿を投影させる。五感を駆使してバーチャルリアリティーの世界をつくり出すのだ。

2 / 3 ページ

橋本テツヤ

橋本テツヤ

ジャーナリスト、コラムニスト、メンタルケア心理士、肥満予防健康管理士。著書多数。近著に「昭和ヒット曲全147曲の真実」(KADOKAWA)がある。全国各地で講演活動も精力的に展開中。