有名病院 この診療科のイチ押し治療

【遺伝性乳がん 卵巣がん症候群】複十字病院・乳腺センター(東京都清瀬市)

複十字病院・乳腺センターの武田泰隆センター長(提供写真)

 同センターの検査までの流れはこうだ。まず「がん相談室」に申し出て、問診票に情報を記入して提出。その問診票をもとにカウンセリングの可否を検討(1次拾い上げ)。OKが出たら本人に来院してもらい、家族歴・既往歴の詳細な聞き取りと家系図を作成する(2次詳細評価)。そして後日、担当医師による「遺伝カウンセリング」を行う。

「遺伝子変異が分かったときのメリットは、まめに検査をして発症しても早期発見に役立てる。デメリットは、知ることで心配しながら生きていかなくてはいけないこと。それに、おじやおば、甥や姪などの第二度近親者も25%の遺伝共有があるので、結果が親戚まで影響する可能性があります。しかし、結果の情報は厳重に一元管理しているので、本人が話さない限り外部に漏れることはありません」

 本人が十分に理解、納得したら遺伝子検査が行われる。検査内容は採血するだけで、結果は約3週間後に出る。費用は、2次詳細評価と遺伝カウンセリングが約1時間1万円。通常の遺伝子検査は約20万円。その結果が出た近親者を調べる「シングルサイト検査」は約3万円。乳がん手術前に乳房を温存するかどうか1週間で調べる「クイック検査」は約27万円だ。

3 / 4 ページ