気づいた時には病状進行…「誤嚥性肺炎」に3つの特徴

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 健康な人でも誤嚥はするが、咳やむせかえり(咳反射、嚥下反射)により排菌する。元気な人は雑菌が気管や肺に入り込んでも、血液中の貪食細胞などが退治するため肺炎は発症しない。

「ところが高齢者は加齢により咳やむせの動きが抑制されているうえ、気道の一部が壊れていて、雑菌が定着しやすい。これに風邪症状を起こす上気道感染や飲酒などの要因が加わることで、自分でも気付かないうちに誤嚥し、肺炎を起こしてしまうのです」

 胃に直接栄養を流し込む胃瘻を作っても誤嚥性肺炎が起こるのは、食べ物が関係しないケースがあるからだ。

2.1週間ほど気付かない

 肺炎は一気に高熱が出て、空咳、息切れなどに苦しむイメージがあるが、誤嚥性肺炎はそうではない。

「通常の肺炎は2~3日で一気に菌が増殖しますが、誤嚥性肺炎の場合は1週間ほどかかるケースが多く、その後、一気に発症します。高齢者は感覚が鈍くなっていることもあり、いつ発症したのかわからないまま病状が進行しているケースが少なくありません。『なぜ、こんなになるまで放っておいたんだ!』と言われるのは、このためです」

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