天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

食べた後すぐに眠るのはNG 心臓を守る「3つの食事法」

順天堂大学医学部の天野篤教授(C)日刊ゲンダイ

 心臓病の発症には「食事」が大きく関わっているといえます。心臓病の代表的なリスク因子である「高血圧」「高血糖」「高コレステロール」は、いずれも普段の食習慣によって左右される場合が多いのです。

 死因の第1位が心臓病である米国でも、心臓病や糖尿病といった心血管疾患による死因の約45%は、不適切な食事によるものだと報告されています。

 ただ、長年の食習慣をガラリと変えるのはなかなか難しいという人がほとんどでしょう。そこで、心臓病を予防するために最低限これだけは実践しておくべき食事法を紹介しましょう。

■「ドカ食い」をしない

 まずは「ドカ食い」をしないことを心がけてください。空腹時に一気にたくさん食べると、血糖値が急激に上がります。すると、血糖値を一定に保とうとして膵臓からはインスリンがたくさん分泌されます。この状態が続くと、インスリン抵抗性=インスリンが効かない状態ができてしまい、肥満と糖尿病というメタボリックシンドロームの2条件につながります。インスリンには栄養を蓄えるために中性脂肪を作ることを促す働きもあるので、肥満に傾きやすくなるからです。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。