役に立つオモシロ医学論文

キノコで認知症を予防 週3回の摂取で発症リスクが19%減

キノコ(C)日刊ゲンダイ

 過去の実験データでは、キノコに含まれる成分に、神経細胞の保護効果が示されていたようです。もし、キノコに脳神経の保護効果があるのだとすれば、キノコを積極的に食べることで認知症を予防できるかもしれません。

 米国老年医学会誌電子版に2017年3月13日付で、「キノコの摂取頻度と認知症の発症リスク」を検討した研究が報告されました。

 この研究は宮城県大崎市の住民を対象とした観察研究で、65歳以上の高齢者1万3230人が対象となりました。キノコの摂取頻度は、「週に1回未満」「週に1~2回」「週3回以上」の3つのグループに分類され、認知症の発症リスクが比較されています。なお、結果に影響を与えうる「年齢」「性別」「喫煙状況」や「教育水準」などの因子で、統計的に補正して解析しています。

 5.7年にわたる追跡調査の結果、認知症の発症リスクは、キノコの摂取が週1回未満の人と比べて、週に1~2回では明確な差が出ませんでしたが、週3回以上では19%、統計学的にも有意に低下しました。研究開始時に、認知機能が低い人を除外しても同様の結果であったことから、キノコの積極的な摂取で認知症発症リスクが低下する可能性があると結論しています。

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青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。