あの話題の治療法 どうなった?

かつては子供の定番だった「扁桃・アデノイド手術」は今

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 炎症で鼻呼吸がしづらいため、頭が重く、集中力が欠け、アデノイド顔貌といって、口をポカンと開けて、顔の筋肉がゆるみ、間延びした顔つきになるとの指摘もある。

 ただし、切除手術は扁桃やアデノイドが大きいだけでは行われない。いびきや睡眠時無呼吸症候群や滲出性中耳炎や扁桃炎が通常の治療では治りにくく、その原因が扁桃やアデノイドの肥大であることがハッキリしたときに検討される。

■中学受験組にはいまも人気

「小学校低学年の健診後に診療所に駆け込んで来られるお母さん方は多い。学校健診ではきちんとした問診が行われず、“扁桃腺やアデノイドが大きい”との所見だけが書類に書かれるからです」(都内の耳鼻科医)

 しかし、実際に診察すると手術の適応となる子供は多くないという。

「ただ、中学受験を目指すような教育熱心なご家庭のお子さんは夏休みなどを利用して手術されるようです。思春期になれば扁桃炎の回数が減るとはいえ、受験勉強期間に集中力が欠けるのは困るということでしょう」(前出の耳鼻科医)

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