「認知症」を知るための20週間

薬を飲んだら暴力的に…穏やかな性格を狂わす副作用

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 認知症の周辺症状に対する抗認知症薬には、アリセプト、リバスタッチパッチ、レミニール、メマリーがある。

 これらの薬は、階段を上るように最高量まで増量していく規定が定められ、もし守らなければ保険審査が通らず、医療機関にペナルティーが科せられていた。そのため機械的に増量されていたが、長尾医師が代表を務める「抗認知症薬の適量処方を実現する会」の活動が実り、昨年6月1日に撤廃された。しかし周知が十分ではなく「増量規定の撤廃」をまだ知らない医師が大半だという。

「薬にはさまざまな副作用もあるので、その時のその人に合う適量を探して処方すべきです。しかし現実には誤診、誤処方だらけで、多くの人が薬の副作用で苦しんでいる。『医原性(医療行為が原因の疾患)の認知症』だらけです」(長尾医師)

 本人は口に出して処方を拒否できない。人間の尊厳を守れるのは、家族であるあなただけだ。

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